限界集落に住む

私の住む愛媛の中山間地域は去年くらいから限界集落になった。

 

私の家の隣は更地でその隣はクリーニグ屋さんだったが、一昨年くらいに廃業した。その隣は遍路宿だったがこれも3年くらい前に閉めた。そしてその隣は居酒屋だったが、5年くらい前に閉めた。4軒空いて、次はスポーツ洋品店でここはまだ営業しているが、学校の生徒が減って、遠くの学校に営業かけてなんとか続けているらしい。10年くらい前までは田舎ではあるが、それなりに賑わいのある商店街だった。今は空き家というか廃墟がたくさんある、もう商店街とは言えない状況である。

業務委託している森林組合に話にいくと所長さんが、「外食できるところが、ほとんどなくてね」とこぼしていた。確かに隣町に2軒、定食屋とお好み焼き屋があるが、うちの近所は対面にうどん屋、そして少し離れたところに道の駅があって、そこにもうどん屋がある。昼食で食べれるものは限られているのだ。

森林はだいぶ育っていて伐採期に入ってる山はたくさんある。だから林業関係はなんとか食べていけるだろうが、それ以外はジリ貧だと思う。林業での雇用が増えて、そこで儲けたお金が地域の商店に落ちれば、少し街も活性化するかもしれないが、林業の担い手も少なく、先行きは不安である。

巨大なホールや図書館、統廃合した新築の小中学校、幼稚園、高校、野球場や体育館などの箱物もたくさんあるが、生徒数も少なく、ホールや図書館も利用が少ない。これは負の遺産だろうと思う。

廃墟も増えていて、取り壊さないといけないが、費用がないのか、相続人が複雑なのか、なかなか取り壊しも進まない。しかし町の店じまいをするか、林業関係が潤って、そこでの雇用が増えて、町が活気を取り戻すのを待つか悩ましいところだ。

ただ山歩きしたり、湧き水で喉を潤したり、川で釣りをしたり、お金をかけないで遊ぶことができるのがここの利点だろう。私は十分その恩恵を被っている。先のことはわからないが、今の生活をぼちぼち楽しみたいところである。